カタロゴ京都ロゴカタロゴ京都は、京都の企業・組織・お店・学校などの歴史を、写真を中心に一冊の本にまとめたもの。
懐かしい写真とともに伝統と歴史をコンパクトで美しい冊子に仕上げます。

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京都匠塾

南丹・京都匠塾

京都府南丹市園部町本町28番地 TEL : 0771-68-1731  FAX : 0771-68-1732

日本人の伝統技術を子どもたちに継承する

京都の歴史が育んださまざまな伝統文化。そのひとつである伝統工芸の技術は、世界でも類をみないほど多彩で洗練され、また美しい技術です。しかし、そんな優れた技術も時代の流れとともにその伝承力を弱めつつあります。日本独自の多彩な技術は、現代の日常生活から次々と姿を消していきました。日本の伝統工芸にとって、伝承すべき後継者の育成が大きな課題のひとつと言われています。 京都匠塾はそんな現状を変えるため、京都伝統工芸大学校の卒業生が中心となって立ち上げた組織です。各地の工房や公的機関、企業とも連携しながら伝統工芸の技術伝承のため、若い職人や作家が活躍できる舞台づくりを行っています。また京都匠塾は、子供たちに技術を教えることにも力を入れています。子供たちは「伝統技術を習得する」過程の中で人間として成長するための、多くのことを学んでくれます。京都匠塾は、次世代を担う子供たちに伝統技術だけではなく、ものを見る目、人と人とのつながりの大切さや、社会人として生きていく上での心構えを伝えてゆきたいのです。

楽しい国語の時間
 

伝統技術を習得するには、まず道具を使いこなせるようになる必要があります。想像力、論理力に加え、寸分の狂いもない手先の動きなど、身体と頭脳、人間の持っている能力を総動員して取り組まなければ、作品は完成できません。木工に使う日本の伝統的な道具としては、鉋(かんな)、鋸(のこぎり)、鑿(のみ)など様々なものがあり、それらは現代でも他の製品には代用できないすぐれた機能を持っています。「けがをしないように道具を使いこなす」それは非常にシンプルなことですが、奥が深く楽しみに満ちている作業です。

ものづくりの楽しさや難しさを伝え、ものづくりを通じて「先読みする力」を鍛える。クリエイターとしての「かしこい子ども」を育てる・・そんな目的をもってはじめた「ツ・クール」。小学校4~6年生が対象で、毎月町家工房「息吹」で授業を行っています。「勉強が仕事に役立つ」ということを伝えたいため、1回2時限構成で、まず国語・算数の学習を。次に木工芸、または陶芸の時間となります。基本コースで、木の本棚が完成した日に撮影しました。

 
 

楽しく学ぶ

 

昔は誰もが手作業で行っていた鉛筆削り。最近では電動の鉛筆削りやシャープペンシルなど多様な文房具が普及しその機会は減りました。大人には懐かしく、子供や若い人には新鮮でもある鉛筆削りを復活しようと、南丹市国際交流会館コスモホールにて「第1回全国えんぴつけずり大会」を開催しました。参加者は大人の部73名、子供の部22名。徳島県や東京都といった遠方から来られた方もいました。審査基準は芯と木部のバランスや削った表面の美しさ、削ったえんぴつが短くなると減点などなど・・・予選から会場は緊張感もあって、とてもいい雰囲気で、みなさん真剣に競技に参加していただきました。

制作風景
きくみん

「きくみん」は京都匠塾と京都伝統工芸大学校の学生が共同開発した木のおもちゃです。素材は京都の銘木「北山杉」を使用し、パーツに施した穴に別のパーツを差し込むことで繋げて遊ぶことが出来る新感覚の積み木です。自由な発想で「つんで、つなげて、つくる世界」を、子供も大人も存分に楽めます。

 

地域の人々とともに

NPO法人京都匠塾は、職人を目指す新しい芽に対し、作品の販路開拓や発表の場の提供といった独立創業の支援、雇用創出の制度研究、その制度を活かした事業を展開しています。また、すばらしい京都の伝統工芸の良さを、広く全国や世界に発信し、より多くの方に知っていただくことで、伝統工芸を活かしたまちづくりの提案やまち全体の経済発展にも寄与したいと考えています。さらに、伝統工芸産業の裾野を広げる教育の普及をめざし、技術伝承を通して、子供たちや若者のコミュニケーション能力や社会性なども養っていける様々な取り組みを行っています。

町家工房息吹で行われる恒例の「まちや工芸市」は、ライブ演奏やお茶会など毎回趣向を凝らしたもの。地元の方をはじめ学生や子供たち、外国の方など遠方からも多くの方々が参加し楽しまれています。